雑感。
3月の最終日曜日が、まんぼう明けの初釣行でした。所属のナリーズでは、泡舟&ガッツという2大スター時代になって以降、とても敵わないので年間レースは意識していません。自分の得意な地合のときだけ、色気を出す程度。なので試釣という意識はなかったんですが、翌週も同じ釣り場で例会が開催されることで、図らずも試釣にはなったようです。
ただ、前週は例会本番の釣りは一切やりませんでした。近年の管理釣り場では「ない」ことが多い、大好きな底釣りを通しました。こういうことをいつも例会本番でやってしまうので、釣果は優勝に絡むかビリか、みたいになっちゃうんですね(笑)。しかも今回は、昨年ゲットして使えずにいた光司のデビュー戦。竹竿とくれば、やっぱり底釣りでしっぽりいきたいところでしょう。
前週の状況は一言で言えば激シブ。底釣りはジャミが多く即死状態でしたが、宙もポツポツ程度。それでも、例会本番は短竿浅ダナセットだと決めました。ま、近年では、どこへ行っても通年通じる最適解ですが。一度やったんですから、底釣りやりたい病も封印できますしね。
ところが例会当日は、短竿浅ダナにはかわりありませんが、両ダンゴから入りました。低釣果予想なので、キッチリ拾うためには有り得ない選択なんですが、接近戦セットが成立(前週に他の人の釣りで目視確認済み)する以上、ダンゴに興味があるけど食わないっていうのが大前提。実際、前週はダンゴでも少しは拾えていたし、距離感や活性を掴むには必須の作業だった訳です。ま、ダンゴでもハリスは5-10でスタートする度胸まではあったんですが、最初からセットにする自信がなかったんですね。近年のセットには苦手意識があるので。
結果的にはダンゴで2枚しか釣れませんでしたが、昨年の等々力でしらとりさんと一緒に味わったような釣りになると確信。仕掛けとエサはそのままで、まずは下バリに固形の力玉ハードⅡ。すぐに2枚くらい拾いました。でも固形では、バラケが両ダンゴのときのタッチのままではカラになることが多いんで(今回は詳細は書きません)、ボソに変更する必要が生じます。
ですがトロ掛けなら、バラケはダンゴそのままのタッチでも良いので、途中のコンビニで買った謎メーカーのトロロにスイッチ。ところが、トロロがもたないんですよ。すぐ溶けちゃって、誤飲を誘うだけの尾を引かないんですね。長い繊維を切らないように方向を考えてちぎり、水多めで浸して優しく引っ掛けても短くなっちゃう。粘りも足りないのに膨らまないから煽られにくいし、最悪でした。地合的には、トロ掛け鉄板の確信はありましたが、トロロがダメなので諦め、クワセをハードⅡに戻し、バラケのタッチをボソに変えて釣り通しました。まともなトロロがあれば、もう20枚くらいは釣れたんじゃないかな。知らんけど(笑)。
優勝したガッツは「なかった筈」の底釣り。状況が上向いたのか? ノーでしょうね。天気も悪いし。おそらく、この日に僕が底釣りを選択しても、前週同様に数枚しか拾えなかったと思います。前週は全てジャミのせいにしていたけれど、ヘラがゼロだったわけはなくて、拾うための理論はちゃんと存在していたんです。ガッツのエサを聞いて納得。自分の底釣りに、またひとつ新しい扉が開きました。次の実践が楽しみです。
それでも本来なら底釣りは、当日のアタマを獲れる釣りではなかった筈です。獲らせちゃいけなかった。活動限界をはるかに超えた領域で、100点満点以上の釣りを展開し、無理矢理地合を作ったガッツは流石ですし、誰にも真似できないと思いますが、キッチリ合わせられない宙釣り組が不甲斐なかっただけで(たとえば100点満点で50点の釣り)、数釣れるポテンシャルは宙に分があったと分析しています。これは負け惜しみじゃないですよ。冷静な反省です(笑)。
とまぁ、熱い例会報告ふうに書いてきてますが、僕が20代の頃の例会全盛期じゃあるまいし、「獲らせちゃいけない」は笑っちゃいますね(笑)。でも、現在のナリーズには、そういうガチンコの空気もあります。一部ね。自分の所属クラブだから持ち上げるわけではないですが、泡舟&ガッツのレベルって、半端ないですよ。恵まれた環境にいた自分は、数多くの名手を見てきてますが、間違いなく上から数えたほうが早いランキングです。「何が凄いのか」を、僕は言語化できる自負があるから言っているんですね。
へら専科の4月号に書きましたが、「名手のすごさ」の尺度が「露出の多さ」や「高釣果」だったりする人が多すぎます。ホンモノを見分ける目がないんですね。実はナリーズでもそうで(笑)、勿体ないことに泡舟&ガッツの「価値」は、ほとんど理解されていません。でも、それはまた良いことでもあるんです。「一位もビリもただの人」と掲げるナリーズでは、例会の楽しみ方は個々に委ねられています。互いの価値観や温度差を受け入れ、誹謗中傷も押し付けもしない。だから、ガチンコとのんびりが共存できるんですね。
じゃぁなんで4月号で毒を吐いたのかと言えば、のんびりの「仮面」をかぶった人が多いと感じるからです。本当は向上心があり、もっと釣りたいと思っているなら、お勉強のしかたを変える必要があるんじゃない? ということでした。それでもやはり、究極を言えば個々の自由です。自分の意見は言いましたが、批判ではない。そう認識しています。
衰えることのない向上心を持つ泡舟&ガッツが、互いにライバルと意識して切磋琢磨する。対人ではなく対ヘラブナでね。しかも、釣りのスタイルが対極なので、互いに得るものも多いのでしょう。末永く良い友人関係でいてほしいなと思って、いつも眺めています。
そして、「そんなの関係ねー」で我が道を行く会員、ポスト泡舟&ガッツを狙う若手もいます。彼らもそれぞれ自分の人生を生きています。当然、それぞれの人生では主役ですから、会の中での人間関係は対等です。
さてさて、ナリーズの紹介に字数を割きすぎましたが、本題? に戻りますと、釣りはやっぱり面白いなーってことなんですね。行かなきゃ行かないで我慢できるお年頃になりましたが、竿を握れば明日もやりたいと思うんです。2週続けて同じ釣り場というのは、向上心と闘争心に火をつけます。
一昨日のへら専科の取材では、取材終了後に初めて自分も竿を出しました。平日の管理釣り場の魅力に抗えなかったというのもありますが、今まで一度もなかったことですからね。取材の後は釣りする気にならない、とっとと原稿にかかりたい、という話を友人にしたばかりでしたが、イキナリ反故(笑)。
取材開始前からその気でしたし、それだけ本当は釣りキチだってことです。僕の釣り姿を眺めていた取材対象者からは、「江成さんて本当に釣りが好きなんですね」と言われました。最高の褒め言葉です。
ともすると、「そんなに釣りが好きじゃないんじゃないの?」とか、「仕事にしたらサメちゃったんでしょ」と言われがちな低釣行回数ですが、そんなこたーない、のです。釣行回数は起業以前から少ないですし、釣りは釣り場でなくてもできる、脳内でも楽しめるという持論にかわりないですが、やっぱりリアルフィッシングは楽しい(笑)。
そして、場外で自分がなすべきこと(たとえ勘違いだとしても、現在の自分にはそれなりの自覚はあります)を放棄してまで釣りを楽しんでしまうのは違うな、というだけです。いえ、事業も軌道に乗っていないのに、遊ぶわけにもいかんな、というのもあるかな。
とはいえ、今度の日曜日も某管理釣り場で釣りの予定です。一昨日の取材対象者が主宰されているクラブにゲスト参加します。これで3週連続日曜は釣り(フツーかw)ですし、まんぼう明け初釣行から数えると、半月で4回も釣りに行くことになります。一週間ずっと仕事してるっていうのは不健全だし、効率も落ちるだろうし、少しはいいかなと思っています。
そうそう、4回とも管理っていうことに、春は野でしょう! とドヤる人もいるかもしれませんね。自分でもハタキに遭遇すれば興奮しますし、否定はしないんですけど、門外漢から見たらどうかな? という意識が近年芽生え、二の足を踏んでいます。本音は行きたいんですけどね。
もちろん、理由としては愛魚が先に立つべきだとは思いますが、ヘラブナが商品(野でも)であることも事実なので、あんまり偏ると「じゃぁ最初から釣らなきゃいいんじゃん?」になってしまいますのでね。
「ヘラブナが国内外来種だなんて、一部が言っているだけ」と嘲笑い、大きな反論もせずスルーしている内に、いつのまにか世間の常識になりつつある現在、「愛好家は反論しないどころか種の保存にも無関心」と見られてしまうのはマイナスだと思うんです。釣り禁止の場所で釣ったり、違法駐車だったりゴミ問題だったりもあります。僕的には、「夏こそ野」なんですね。