おカネの話
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1期の11,000円という最低金額に対するご意見は多かったですね。そのため、2期は1,000円のコースも新設しましたが、手軽な少額プランを設定しなかったのはいろいろと考えた末の結果です。すべては文章にできませんね(笑)。ただ、新設定のライトプランには、決済完了後の自動返信メール以外はお礼メールさえないという部分に凝縮されていると思います。
1期は結果として失敗したことになる? のでしょうが、寄付のハードルを上げたかったのです。本気で期待してくれている方に、本気で応えたい思いがありました。お送りした御礼メールは、すべて内容が違います。メインフレームはコピペですけどね。
最低金額が11,000円というのも勿論ですが、目標額が高額すぎるとのご指摘も多数いただきました。ただこれは、何と比較するのか? という話なので難しいと思います。プロジェクトを実行できない金額を設定しては無意味ですしね。
今回はオールイン型のクラファンですが、基本的に寄付型なので、リワード(粗品)はお返しするものの、肝心の検量機プロジェクトは金額目標未達では実施されません。実機をお返しするコースも、「いつかできあがったら」というアバウトなものです。それを詐欺だと騒ぐ方もいれば、ただの寄付で終わる可能性も見越してアクションする方もいる、ということです。
「とりあえず100万円くらいにしておこう」みたいなノリよりは、製造にかかれる額を目標額に設定したことは、クラファン実行者として誠意を示したつもりでいます。
全額をクラファンで賄おうとしているというのはどうなのか? というご意見もいただきました。「自助努力なしに他者にすがる人への不快感」だと思います。なるほど時代だなと感じました。ではたとえば、「いままで2億ぶっこんできたけど、あとヨンセンマン足りないんだよ!」であったなら、おカネを出すってことでしょうか。
2億はありえませんが、小さな企業なりに、2年以上投資はしてきています。1円単位まで開示できるものではないですが、プロジェクトメンバーの手弁当での活動費も計上したら、それなりの額にはなるでしょう。研究用の材料費、知財関連で士業に支払った額などは、たまたま目に見えている経費にすぎません。
そもそも、自分のためだけではなく、皆さんの利益になることだという信念の元にクラファンを呼びかけています。贅沢な暮らしがしたいけど、「給料じゃ足りないから差額を恵んでくれ」ではないわけです。
こういう話をすると、「オマエの給料も経費か?」と言われると思います。当たり前です。役員と言えども自分も会社員である以上、毎月決まった報酬が発生します。利益を生んでいない事業に従事した時間も含めてです。
これは協力会社の皆さんも同じで、検量機事業に使った時間分の給料は、利益を生む事業から支払っているのです。時計が進んでしまう以上、完全な赤字なんですね。タダはありえません。弊社からは支払っていないけれども、協力会社で損失補填をしていると考えれば、協力会社と弊社全体の支出は増えたことになります。
上記はきわめて合理的な説明だと思いますが、頭では理解できても心情的には受け入れられないようです。日本は人件費を軽く見る傾向が強いがゆえに、「給料を支払うための寄付ならイヤだ」に直結してしまいます。
これって、侵略を受けている外国政府へ送る国民救済のための寄付が、武器購入に使われるんじゃないか? っていう議論と同じです。足りないヨンセンマンもゼロからのヨンセンマンも、同じヨンセンマンですけどね。同じ財布から出るんですから。
いずれにしても、感じ方は人それぞれです。税金と違って強制徴収するわけではないのですから、参加しない自由があります。最低だなと思うのは、アクションせずに「高い」というクレームを入れてくる人。面と向かって言われるぶんにはまだしも、SNSなどで全世界に向けて発信するのはどうかと思いますね。スルーする権利があった筈ですから。
ま、そういう方は1,000円コースでも参加しないでしょうし、たとえ100円でも参加しないと思います。タダならゴミでも飛びつくくせに、ビタ一文出さない。乞食のような人は一定数います。いや、乞食だって互助があるんじゃないかな。
今回、もっとも胸を痛めたのは、周囲の友人たちにです。「参加しない自由があるのか」と自問自答せざるを得ない距離の人は一定数いたでしょう。プロジェクトへの志に共感云々の前に、個人的な人間関係を維持するために、応援せざるを得なかった人たち。申し訳ない気持ちです。
ただこちらとしては、「オマエが出さねーのかよ!」と思いたくないと考えてクラファンを始めました。普段の人間関係は見返りを求めたものではないはずですから。
とはいえ、互助って見返り期待の精神だよなと考えたり、「情けは人のためならず(自分のため)」って常に打算だよなと考えたりはしました。「巡り巡っていつか自分のためになるから」という善行は、その場その時の救済相手に期待するものではないとしても、壮大な打算です。
これからクラファンを考えている人は、意図しなくとも、膨大な数の踏み絵を仕掛けることになるのだと自覚すべきでしょう。友人がクラファンを始めたなら踏み絵はひとつです。スルーするのも参加するのも考える相手は一人で済みます。
ところが、自分でクラファンを始めれば、対象は友人全員です。この構図に囚われない覚悟がないと、精神を病むと思いますよ(笑)。それでもやるという方は、ぜひご相談ください。弊社にてセルフクラファンのシステム導入が可能です。
リアルな話、自分は本当に囚われずにいられているかは自信がありません。最終日をわざわざ狙ったらしい友人からのご支援は、泣かされそうなほど嬉しかったですからね。嘘ではありませんが、その友人からの支援がないことを気に病んだ記憶はないにもかかわらずです。ていうか、気に病む人もいるかもだから、こういうのは早いほうが良いよ(笑)。
最終日はだいぶ伸びました。全員が全員、サプライズを狙ったわけでもないでしょう。最終日まで葛藤し、やむを得ずポチった人もいると思います。ゴメンナサイ。