ヘラブナ飼育のスヽメ
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- カテゴリ- ヘラ釣り
Facebookでは時々書いてきましたが、我が家では1匹のヘラブナを飼っています。これがまぁ、エサのパッケージや雑誌の表紙にはなれそうもないほど、決して美人ではないんですが、一応はヘラブナのはずです(笑)。印旛か霞あたりで網で獲られた個体らしいです。何年か前に、近所のペットショップで買ってきたんですね。広大なフィールドに放てば、とっくに尺ベラになっていたはずですが、水槽に囚われの身となった我が家のヘラは、まだ小ベラです。
昨今、半ベラ(およびマブナ)とヘラブナの区別ができないアングラーが多く、ヘタするとウチの子も半ベラにされてしまいそうですが(笑)、それくらい「出るところが出ていない」おブス様なんですね。つまり、体高は低い、痩せている個体です。顔と側線上の鱗の数から、ヘラブナだと自信を持っていますが、尾びれの角は丸く、尖っていないのでマブナのDNAも持っているのかもしれません。
ま、おそらく我々アングラーの想像以上に交雑は進んでいて、ザ・マブナな母親から、ザ・ヘラな個体も生まれる可能性もあると認識しておくべきでしょう。逆も然りです。ギンブナには三倍体しかおらず、雌性発生は純粋なクローンを作るために半ベラはあり得ない、というのは間違いです。ググれば色々と出てきますよ。
さて、今日はそんなことはどうでも良くて、飼ってみるとわかるヘラブナのことを綴りたいと思います。ヘラブナというのはかなりタフな魚で、体調不良になってからも想像以上に長い時間踏ん張ります。もちろん、あっけなく昇天する子もいますが(我が家では2匹買ってきて、1匹が突然死にました)、この子は不死身ですね。水槽から飛び出て干からびた状態から、復活した過去もあります。真冬だったので、仮死状態になるのが早かったからなのかもしれませんが。
それでも、デリケートな生き物であることもまた、事実なんです。死にはしませんが、体調はあっという間に悪化します。ウチの場合、デスクの前に水槽があるので、四六時中観察しているわけですが、何か少し違和感を感じてから、明らかな変調をきたすまではあっという間です。
たとえば、ちょっと痒そうにしている? と感じた数時間後には、各ヒレの端に白い点が付き、気のせいかな? と、さらに数時間見守っているうちに全身に綿が広がる、といった具合です。ところが、ここで気づいて手を打てば、悪化にかかったのと同じくらいの時間で、元の綺麗なカラダに戻ります。人間で言うと、悪寒がして、熱を計ったら7℃五分くらいあって、風邪薬飲んで一晩寝たらケロッと治った、みたいな感じ。
先日訪れた釣り場でも、もじりに違和感を感じていたんですが、帰る頃には薬を用意し始めていたので、「ハハーン」と感じた次第です。興味深かったのでオーナーにお話をうかがうと、やはり朝のもじりでピンと来たそうです。で、「今日は突然の食い渋りでゴメンナサイ」と言うので、「いえいえ全然構いません。生き物を扱う苦労話を聞けてラッキーです」と答えました。
これは気遣いでもなんでもなくて、本音なんですね。ウチのヘラブナの話もしちゃったりなんかして、大いに盛り上がりました。「強いて言うなら、明日来ればバクバクでしたね。1日間違えた(笑)」で爆笑。
テクニカルな話に通ずる観察で言えば、ヘラブナの粒子に対する間合いだとか、反応速度なんかは、実際の釣りにとてもとても参考になりますよ。ヘラブナはロクに目が見えていない説も、飼えば答えがわかります。いえ、実際は見えていないかもしれませんが、他の器官でめちゃめちゃ補っているので問題ない、と考えることが可能なレベルということです。
縦誘いが効くメカニズムには自分なりの推論を得られましたし、「なぜヘラブナ釣りは寄せなければならないのか」も、競争心以外の答えを導き出すに至りました。「人間が思うほど食い渋りはないのかも?」とも。詳細はまたあらためて。